知人B［sha］ ページ21
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この春から入った新米の私にとって、Aさんは光のような存在だった。私の教育係として任命されたAさんは丁寧で優しくて、何度も同じことを聞き直すポンコツな私にも熱心に教えてくれた。
今だってそうだ、地図は持ってるのに絶望的な方向音痴のせいで今だに城内の場所配置が覚えられない私を自ら案内してくれている。
『で、この扉から外に出ると、目の前に見えるのが訓練場ね。たまに矢やら何やら飛んでくるから気をつけて』
「矢！？」
野太い男の人たちの声が聞こえてくる目の前の石造りの＿＿城内はほとんど石造りだけど＿＿が訓練場と。横にあるのは馬房かな。
「訓練場、ちょっと気になります。ちらっと覗いてもいいですか？」
『いいよ。気をつけてね』
他の建物のドアより見るからにボロボロな木製の扉を開けようとドアノブに手をかけた瞬間、ドアがあちらから開いた。目の前に飛び出して来た細身の男性が開けたらしい。
「わ、ごめんな。あ、あれ？Aやん」
『シャオロンじゃん』
どうやらA先輩のお知り合いのようだ。オーバーオールに金色に輝く三つ星バッヂ。え、この若さで大将！？
『訓練中？いいの？出て来ちゃって』
「ちょうど休憩」
『あそ』
「喉乾かん？ジャンケン負けた方奢りな」
『私べつに乾いてないんだけど』
仲良さげにポンポンと会話を進める二人。普段からよく話すんだろうな。
さらっと肩を組んだシャオロンさんにハッとした。
もしかして……恋人同士なのでは。私、邪魔？
「あ、あの、私！私、買ってきます！三人分！」
『え、いいよシャオロンが行けば』
「は？」
「いや！あの！ほんとに！私行ってきますから！！」
制止する先輩の声を右から左へ聞き流して、がむしゃらに走り出してから気がついた。買ったら戻らなきゃいけないじゃん……気まず。
飲み物片手に戻ってから詳しく聞いたら、二人して「コイツと？ないない」『友達ですらない』なんてお互いに軽く叩いたり頬をつねったり、挙句の果てには肩を組みながら全力否定された。
そんな距離感バグってる“ただの知り合い”がいてたまるか！！！
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元青磁(プロフ) - 森。さん» ﾜ°……！？あばばばばありがとうございます(；▽；) (4月18日 20時) (
レス) id: d3f69151ea (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - この甘すぎずさっぱりしすぎずの距離感好きです！！！ (4月18日 17時) (レス) @page20 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：元青磁 | 作成日時：2024年4月9日 4時
