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「私は参謀です。戦争が起きたら作戦を決めて、どう動かすかを決める役職なんです。……私自身は会議室から一歩も出ないくせして、兵士たちを戦場へ送り出すんです。
国が戦争を続ける以上、いつか窮地に追い込まれるでしょう。その時は喜んで矢面に立ちます。今まで戦場に送り込んだ兵士のためにも」
淡々とした口調だった。普段朗らかな雰囲気を漂わす彼とは思えない顔つきだった。
「だから今から体力を付けておくべきだと、思ったんです、が…………」
くらりと後ろへ倒れ込んだエミさんの背中を慌てて支えた。全く、突然いっぱい運動するからこんな事に。
『しかもシャツのままって……動きづらいでしょう』
「……だいぶ」
まだ夏でもないのにダラダラと汗を流している。これは脱水症状を起こしかねないとエミさんを壁に寄りかからせて食堂へと走った。
爆撃機の手入れを終えた帰りに訓練場の裏を通ったら、隠れるように壁にもたれかかる人影がひとつ。エミさんや。なんかぐったりしてるから少し心配になって近寄ったら、こっちに気がついたみたいでゆっくりと顔を上げた。
「……ああ、ショッピくんですか」
「どーも。珍しいっすね、こんな所で」
話によれば運動していたらしい。そんな整った格好で。どうりで酷い汗。
それにしてもエミさんが運動なんて珍しい事もあるもんやな。前に「できれば動きたくない」みたいな事を言っていたような、そんな気がしますけど。
「なんで突然運動なんて」
「ほら、あれですよ」
ぐいっと顎でエミさんが指した先ではゾムさんとチーノが城壁に沿って走り込みをしている。たまにやっている体力付けだ。
「うちの軍って前線に出る兵士じゃなくても鍛えてる人、多いでしょう」
「まあ、そっすね」
「なので」
力なく笑うエミさんにさらに歩み寄って前に座り込んだ。無言の俺にじわじわとエミさんの顔から笑顔が消えてゆく。
「だけじゃないでしょ」
「…………」
「Aさん、ゾムさんとかシャオさんとか、チーノとも仲ええからもしかしたら運動できる男の方が好みなんかなぁ、とか」
「え"っぅ」
「……何を焦ってんだか知らないっすけど、ほどほどにしてくださいよ」
組織の脳がぶっ倒れたら困るんで。口に出さなくても頭の良いエミさんなら分かるでしょ。
立ち上がった俺に合わせて慌てて立ちあがろうとするエミさんを宥めた。遠くからAさんが走って来てるのが見えている。
「後は上手くやってくださいね。じゃ」
邪魔者は退散しますんで。
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元青磁(プロフ) - 森。さん» ﾜ°……！？あばばばばありがとうございます(；▽；) (4月18日 20時) (
レス) id: d3f69151ea (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - この甘すぎずさっぱりしすぎずの距離感好きです！！！ (4月18日 17時) (レス) @page20 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：元青磁 | 作成日時：2024年4月9日 4時
