【d!】君の犬になりたい。 (ページ1)

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歌舞伎町は東京都新宿区にある。飲食店・遊技施設・映画館などが集中する日本最大の歓楽街である。札幌のすすきの、福岡の中洲と並んで「日本三大歓楽街」と称される。

その中でも一際目を引くここ、《CLUB volverse loco》では今日も忙しなく人が動き、輝かしい煌めきを放っていた。数多いる女性の中で、一際身長の高い彼女はこの店のナンバーワンである。ヒールの分の高さを抜いても普通の女の人より身長の高い彼女はとても魅力的な女だった。

rb「そろそろ開店の時間やで、A。今日は平日だけど、A目当ての客が3組予約してきてる。」

『そっかぁ〜、あ！今日鬱くんもきてくれるんだぁー！』

黒服のロボロ君に促されるままに、バックヤードから店に入る。キラキラした店内、キラキラ輝いてる女の子、掃除する黒服。しゅわしゅわぱちぱちした黄金色のシャンパン。どれも見慣れてきた。

他の店舗のナンバーワンの女の子は、身長が低くて、童顔な女の子が過半数でピンクの似合う女の子が多い。一方彼女は白よりは黒が似合うし、赤いリップの良く似合う大人の女性であった。そうこうしてるともう開店の時間だ。

pm19:00 開店

『え〜田中さん今日も来てくれたのぉ〜！ありがとうねぇ〜！』

そういう彼女をニヨニヨと見つめる男。Aは見た目こそカッコイイ女だが、中身はとても可愛らしく愛想のある女でいわゆるギャップのある女だった。そこに惹かれて彼女を指名する人が後を絶たない。

『最近来てくれてなかったよねぇ〜？
だって前来たの１ヶ月半前だよー！
え？もちろん覚えてるよ田中さんの事だもん。
え！いいの！やったぁー！』

すみませーん！モエロゼくださぁーい！と早速ボトルを入れてもらったのもAだった。ここ《CLUB volverse loco》の看板でもある彼女は忙しそうに色々なテーブルを駆け回る。

(ん〜、今日はあんまり高いシャンパンでないなぁ、)

ただの平日である今日にきてくれて、お金を使ってくれるお客様が少ないことは頷ける。今着いていた客を見送り、入口でほっと一息ついた。安酒ばかりで少し悪酔いしているみたいだ。

em「Aさん大丈夫ですか？お水いります？」

『うん貰おうかなぁ、ありがとね。』

いえいえこれも仕事ですので、というエーミールさんが今は後光が差してみえる。神様仏様エーミール様と心の中で唱える。今日も頑張らないと。

カランと扉の開く音がした。