【d!】君の犬になりたい。 (ページ2)

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ut「きたよぉ♡Aちゃーん♡」

？？「兄さん！キャバクラだなんて聞いてないですよ！？」

『あ、鬱くんだぁ！先週ぶりだねぇ、また来てくれてありがとう！』

今日も可愛いね、とデレデレする彼の後ろからひょこっと何やら頭が見える。水色のクルクル頭で厚い瓶底メガネをかけた身長の高い男。水色の髪可愛いな、地毛なのかな、と色々考えてるとその男が口を開く。

ci「僕チーノって言います。お姉さんは兄さんの彼女さんですか？」

『ううん。違うよ？いっつも指名してもらってるの鬱くんに。あ、鬱軍団の子か！』

ね？と首を傾げると鬱くんはデレデレした顔をこちらに向ける。鬱くんは開店した当初から指名してもらってて、かれこれ3年くらいの仲になる。くたびれたスーツに、香水と煙草のどこか安心出来る香りのする彼。変わらず私を指名してくれてるいい人。ちょっとだけ女の子大好きすぎるけどね？

黒服に話を通して、案内する。その間もチーノ君はキョロキョロと辺りを見渡していてどうにも落ち着かない様子だ。

『ヘルプの女の子とか、色んな女の子いるけどどうするぅ？チーノ君も指名してみる？』

初めてならちょっと安くなるよ？と言うが断られた。

ci「Aさんだけでいいです。それに兄さんの面白い話とか聞きたいですし！」

ut「ちょっとチーノ？！俺のAちゃんとらないで？！」

いやぁそんなわけないじゃないですか！と笑うチーノ君を見て思い出した。そういえば鬱くんこの間来てた時に……。

『ねぇ鬱くん？この間着いてくれてたヘルプの子にデレデレしてたでしょ！』

ut「うぇっ？！見てたのAちゃん？！じゃなくてちゃうんよ！！」

あればそのぉ、と言い訳をする鬱くん。チーノ君を置いてけぼりにしちゃったかな？と思ってちらりと横を見る。チーノ君はお腹抱えて笑ってる。ふふっ結構面白い子なんだなぁ。

『ねぇ〜？私以外の女の子観たらダメでしょ〜？
いい子の鬱くんならどうすればいいか、わかるよねぇ♡』

グッと顔を近ずける。すると僅かに顔を上気させる鬱くん、とっても嬉しそうな顔だなぁ。じゃあドンペリの黒は？と言われる。けど私はナンバーワン、そんなんじゃ満足出来ないの。

今度は鬱くんのネクタイをシュルっと解いてしまう。そのまま首に巻き付けてちょっと力を込める、隣のチーノ君がびっくりした顔してる。ふふっちょっと面白い。でも鬱くんの顔はとってもとっても良さそう。

キリが悪いですが、つぎにいきます。