【d!】君の犬になりたい。 (ページ11)

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お店を出た私達は開店までの時間にデパートの中をゆっくり歩いてみることにした。どのお店もショーケースの中は新作が飾られて、どのブランドも工夫を凝らし、細かなデザインをあしらった素敵な商品ばかり。思わずキョロキョロしてしまう。あそこのお店もあのお店も素敵！

kn「なんか気になるのがあったら買ったるで、最初どこ行くか？」

『ん〜あのお店は？あの飾ってある香水可愛い！』

kn「ん、あそこやな。ほな行こか。」

自然に出された腕に私の腕を絡ませて、歩き出した。その某ブランドのお店は香水やバッグが人気で私もいくつかもっている。周りの女の子達も持ってる人が多く、若い人からお年を召した方まで多くの人に愛されるお店だ。

『この香りどう思う？結構爽やかで好みかも！』

kn「ん、確かに香水っぽくない香りやな、いい意味で。」

「そちらの商品は、人気シリーズから出ている新商品になっておりして、ジャスミンやユリの花の香り、プラムやライムといった果物の香りを配合しており、非常に品のある香りになっております。」

kn「俺が気に入ったから買うわ、付けてくれるかA？」

『うん！もちろん！ありがとうコネシマさん。』

遠慮してしまいそうな私に気を使わせないよう、言葉を選んで私に勧めてくれるコネシマさん。気遣いもできて、顔も良くて、話も面白い。彼に出来ないことなんてあるのかなぁ…。

kn「この香りもどうや？」

『この香りも好きかも。でもこれはコネシマさんみたいなカッコイイ人が付けてそうな香りかも。』

kn「そうか、ほな俺もなんか買おかな、A、選んでくれるか？」

『任せて！私こういうの得意なんだぁ！』

そう言って他の香水を試して、真面目な顔で定員さんの話を聞くAの顔をちらりと見る。ああ、可愛ええなぁ。こんな女を妻にできたらそいつは幸せやろなぁ。家族に興味無かった俺が唯一手に入れたいと思ったA。中身も謙虚で、見た目こそ大人っぽいものの、親しみやすい彼女のキャラクターや気遣いのできるところに惹かれている男も多い。

『コネシマさん！これなんてどうですか？』

なんて見上げてくる彼女を見つめる。ふわりと微笑む彼女は天使のよう、いや、女神のようで彼女を独り占めしてしまいたくなる。あぁ可愛ええA、俺だけに微笑んでくれ。

kn「柑橘系か？この香りは、」

『そう！コネシマさんあんまり強い香り好きそうじゃないし、何よりコネシマさんには夏が似合うからね。爽やかな香り！』