【d!】君の犬になりたい。 (ページ16)

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コネシマさんが店を出ていくのを見送って、バックヤードに戻る。お疲れ様でーす！と気の抜けた挨拶をして待機中の女の子達の話に混ざる。この時間は予約のお客様はいないみたいだし、いつもヘルプに入ってるからたまにはいいだろう。

「Aさん！お客様にバッグ買ってもらえることになったんですけど、どこのバッグがオススメですか！」

『ん〜私はよく##っていうブランドのバッグ使ってるよ！長持ちするし、春に出る新作が毎年可愛いの！』

「私もつかってる！Aさんも使ってるなら間違いないよ！それにしたら？」

「確かに！そうしようかな、あ！ピンクも出てるんだ！可愛いなぁ！」

『ふふ、〇〇ちゃんなら絶対似合うよ！』

「はい！Aさんありがとうございます！」

そんなガールズトークを楽しんでいると、黄土色の髪の毛がちらりと見えた。

『…！あれ、グルッペンさん来てたんですね！お疲れ様です！』

私が声をかけると周りの女の子も慌てた様子で席をたち、頭を下げる。それを軽くいなして、総支配人のグルッペンさんは私をちょいちょいと呼ぶ。彼は他のお店も見ていて忙しいのでこのお店に来るのも１ヶ月ぶり。周りの女の子に声をかけて彼の後を追っていく。

gr「というか前にも伝えた通り、俺のことはグルちゃんと呼んでもいいんだゾ？トン氏も最近トンちゃんと呼んでくれないと悲しんでたゾ？」

『私はナンバーワンだから、新しく来た子とかのお手本にならなきゃ。だからその為にはちゃんとするって決めたんです。』

gr「それはいいことだ。でもA、そんなに気を張ることはないゾ、Aが頑張っているのはみんなにも伝わってるし、何より俺たちが寂しいんだ。」

目の前でおいおいと泣き真似をするグルッペンさん。下手くそだけど彼なりに慰めてくれてるのが伝わって面白くなっちゃう。クスクス笑うと彼も安心したように笑う。

『そうだね、グルちゃん！みんなしかいない時は頑張ってこうやって呼びます！』

gr「その調子で敬語もなくしてくれてもいいんだゾ？」

『う、が、頑張る！』

グルッペンさんに軽く頭を撫でられる。

『そういえば要件って何？』

gr「あぁ、もうすぐここのアルシードグループが運営する系列店ができるだろう？
それとアルシードグループの創立15周年を記念してその店のナンバー持ちを何人か呼んでパーティーを開くそうだ。そのパーティーにAも出て欲しいんだ。」

『ふーん…ここの店からは誰が出るの？』