【d!】君の犬になりたい。 (ページ21)

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今日は予約されているお客様はいない。その場合は、新規で新しく来てくれたお客様か、指名された女の子が席を立った後のお相手、いわゆるヘルプに着くかのどちらかに別れる。今日は御新規様が多いため、そっちにつくだろうな。
待機中の女の子達ともその話をしていると、トンちゃんから声をかけられる。

tn「A、3番テーブルに新規客おるからそこに着いてくれる？」

『了解でーす！みんないってくるね！』

明るく声をかけてくれる女の子達に手を振り、3番のテーブルに向かうため、表に出る。途端に集まる視線に、ちょっとビックリしちゃう。でも今日の私は無敵！なんせマンちゃんとらんちゃんにこんなに可愛くしてもらったんだもん！そう胸をはってテーブルまで向かう。向かう間も色々なテーブルから声がかかる。それらを軽くあしらってテーブルに着く。

「はじめまして、私、Aと申します。ご一緒させて貰ってもよろしいでしょうか。」

3番の新規様はどうやら会社の二次会でこのお店に来てくれたようだった。5人程の会社員の様で、皆スーツを着ている。先に座っていた他の女の子に会釈して、どこの席に座ればいいか決めかねていると、1番端の席に座っている人からの視線に気がつく。その彼、緑色の翡翠色の目の持ち主は目を見開き、私のことを瞬きもせずじっと見つめている。

『はじめまして、Aっていいます。お隣よろしいですか？』

未だに私を見つめてポカンと口を開けたままの喋らない彼に名刺を差し出しながら、ニコリと微笑む。慌てたように頭をさげてくれる彼は悪い人では無さそうだ。

？？「お、俺はと、鳥野ノゾムってい、いいます、ゾムってよ、呼んでください、。」

『ゾムさん！ありがとねぇ！お酒飲んでる〜？なんか作ろうか？』

zm「あ、そ、そうやな、ど、どうしよ。」

慌てた様子の彼に彼の上司らしき人が声をかける。

「今回のプロジェクトは鳥野のおかげで成功したからな！俺が出すから！気にせんとなんか飲みや！」

zm「は、はい。ありがとうございます。部長。」

そう言ってメニューを開く彼に少しだけ距離を縮めて、私も中を覗く。彼、ゾムさんは一瞬ビクッとしたが、何も言ってこなかった。

『はじめましてだし、ハイボールとかど〜？値段もそんなに高くないよ！』

zm「あ、じ、じゃあ、それにしようかな、うん、ありがとう、」

言葉に詰まりながらもお礼を言ってくれる彼に優しく微笑んで、黒服に合図を送ると、お酒が届く。