【d!】君の犬になりたい。 (ページ4)

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鬱くん達が帰る頃にはもう閉店時間。鬱くん達にアフターに誘われたけど、断った。明日は明日で、同伴があるからね、名残惜しそうにする鬱くん達をエレベーターまで見送る。

『今日はありがとね！鬱くんほんとに今日もかっこよかったよぉ！チーノ君も初めましてだけど喋りやすくてほんと助かったよありがとう！』

ut「また来るなぁAちゃん、今度もシャンパン入れるね！」

ci「次は俺1人でも来ます！ありがとうございました！楽しかったです！」

チーノ君とは鬱くんがダウンしてる間に色々話をしてて、私の話もチラホラしたけど、なによりチーノ君のトークスキルが高くてどの話も面白くていつも以上に楽しかった。

また待ってるね！と頭を下げる。彼らの気配がなくなったのを確認する。今日も可愛くいれた私への労りを込めてギュッと自分を抱きしめる。偉いぞ私、それでこそナンバーワンだ。

『今日もつかれたよー！！たのしいけど！！』

tn「お疲れ様。今日もよう頑張ったな。A」

黒服のトントンさんに話しかけられる。彼はこの店の副支配人で店の偉いこと、日々の運営は大体彼がやってる。総支配人の彼はとっても忙しいみたい。ここだけじゃなくて他の系列店も面倒みてるからしょうがないけどね。

今日の売上はこんくらいか。トントンさんに提示された金額を見る。そんなにとっても多い訳じゃないけど平日にこれくらいなら上々だろう。

tn「明日同伴の予定入ってるんやろ？今日はもう帰り？俺が車出して送ったるから。」

はぁい！と返事をするともう一度頭を撫でられる。ロボロさんとエーミールさんとトントンさんは黒服の中でも特に私に甘い気がする。私の事を気遣ったり、頭を撫でたり色々世話を妬いてくれる姿はまるでお兄ちゃんみたい。お兄ちゃんいた事ないけど。

さっきのドレスからうってかわって地味な私服に着替える。やっぱりパーカーは動きやすいなぁ。車に乗り込むと私が最後だったようですぐに車が動き出す。キラキラ煌めく、私達の庭、歌舞伎町。このネオンのキラメキと同じ数だけこの町には闇がある、光の当たらない水商売は今でこそイメージが少しよいが、あまりよしとされる仕事でないことは確かだ。なれるまでは私も少ししんどかったしね。

いつの間にか私の家に着いた。お礼を言って家の中へとあがっていく。カツカツと響く自分の足音に家に帰ってきた実感がやっとわいてきた。