【d!】君の犬になりたい。 (ページ33)

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ボーッと私の顔を見上げてくるその顔の頬に1つキスを落とせば途端に彼女の顔が紅くなる。水槽から出された金魚のように口をはくはくと動かし、ぼぼぼっと顔を染めあげる彼女はまるで恋をしているかのよう。

「っは、えっ、とあうぇ。……、」

『分かった？鬱くんは私のお客様なの。でもごめんね？誤解させちゃうよね……。』

シュンとした表情をすると、彼女は顔を紅くしたままブンブンと首を横に勢いよく降った。

「あ……、うたがってご、ごめんなさい……。」

『いいんだよ、そうだ今度お店来てくれる？安くしたあげるね？』

そう言って名刺を取り出すと、その上にキスをして彼女に渡す。そのまま3人を連れてその場を立ち去ると、彼女はまるで夢でも見ていたかのようにその場に立ち尽くしていたのだった。彼女の姿が見えなくなったところの喫煙所に入ると鬱くんが謝ってくる。

ut「っ〜！ほんまにごめんなァ、Aちゃん！」

私の前でガバッと頭を下げる彼を見下ろして頷く。まぁ、こういうこともあるよねぇ、しょうがないけど。

『ん〜まぁそんなこともあるよねぇ、でもちょっとガッカリしちゃったなぁ？』

shp「ほんまですよ。Aさんが落ち着けてなかったらあの女何してたか分かりませんよほんとに。｣

ci「ほんまに、でも羨ましいわ、Aさんのキスした名刺。てかあいつ多分ナイフの1本持ってたんやない？」

シュンとした鬱くんに厳しい言葉をかける後輩2人の構図を見て思わず笑ってしまいそうになる。あと彼女多分だけど

『まぁカッターは持ってたねぇ、』

ci｢うぇっ！？そうだったんですか！？け、怪我とか？大丈夫ですか？！」

ut「ほ、ほんまに？！あかんこういう時警察？！救急車？！」

shp「えっと、114や！？114！？
あ、あかん、手ぇ震えて携帯の番号上手く押せへん！？」

一瞬間が空いたと思ったらこのザマだ、ほんとに面白い。からかうのもそこそこに怪我がないことを伝える。あとショッピ君、114にかけると時報になっちゃうよ。

ut「でもほんまにごめんなぁ、何したら許してもらえる？」

そう眉を下げる鬱くんを見て微笑む。

『今度またお店来てくれたらチャラにしてあげるー！』

ci「うぇ、そんなことでええんですか？もっとなんか、ねぇ、高いもんとか強請ったりとかしてもいいと思いますよ？」

shp「いやそれは普段のお前やろ。まぁでも今回は大先生が100%悪いんでもっと高いものでもええとは思いますねぇ。」

ut「そ、そうやで！ほんまに！」