【d!】君の犬になりたい。 (ページ35)

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そうチーノに誤魔化す。が、なんとなく誤魔化しきれず、大先生がこっちを見てからかうようにいった。

ut「どうせお前らもこうなるんだよ、まぁでもええねん。今は幸せだからな。」

ci「まぁそっすね。大先生も丸なったし、俺らもなんとなく女遊び減りましたよね。」

そろそろ開店の時間だ。俺らはタバコを消して喫煙所を出て行く。ああ、はたして俺らはAさんを忘れてまた他の女と恋愛できる日が来るのだろうか、なんて少女趣味なことを考えてしまう。

shp「なぁチーノ、お前他の女抱けるか？」

ci「正直物足りないねん。もう多分俺ら手遅れやな。」

shp「やんなぁ…、わかる気がするわァ、｣

彼女にハマってからなんとなく欲が深くなった気がする。他の女を見繕っても満たされないこの感情を愛と呼ぶには少々俺らは汚れすぎた気がする。それを受け止めてくれる彼女は俺らにとっては神や仏のように感じられる。まあ、俺らは行けて地獄やろうがな。

shp「まぁ俺が最初にAさん手に入れんねん。ペットでもなんでもええけど、絶対繋がり作ったんねん。Aさん無しで生きれない身体になってもうたから責任取って貰わな。」

ut「はぁ？！絶対俺も譲ったらんから！？こんなかでAちゃんと関係が長いの俺やから！どうせなら結婚したいし！？そんで書類だけでもええからAちゃん繋ぎ止めて一生幸せに暮らすんや！他のやつに全然渡さんし、見せへんわ！」

ci「はぁ！？そんなん俺だってしたいわ！そんなことかなうんやったら俺の金も情報も全て差し出して俺の全てを握ってもらうねん。俺の生命ともいえるもの全部握ってもらって生きるのも死ぬのもAさん次第なんや。めっちゃええなぁ
……。」

ut「あーそれもええなぁ。」

shp「あー、俺も死ぬならAさんにやって欲しいわァ」

他の人間が聞いたら驚いてしまうほど欲望丸出しの会話。恍惚の表情で語り合う3人を止めるものは1人もいない。彼らの歪んだその依存とも愛とも呼べるそれは、きっと彼女の客全員が抱えているものだから。彼女も咎めなければ拒みもせず、ただ受け入れる。彼らを操るようにその甘美な毒々しい躾を使いこなす彼女は彼らにとって天使のようでもあり悪魔のようでもある。彼女の手によって天国へ誘われた者は彼女なしでは生きられず、また天国へ連れて行ってもらおうと必死に色々なものを差し出す。中毒にも似たそれは傍から見れば麻薬にもなりうる。

狂気に満ちた夜は気づかれずふけていく