【d!】君の犬になりたい。 (ページ6)

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時を同じくして家に着いたAはくしゃみをした。
誰か私の噂をしてるのかもなんて。
お風呂を沸かして、顔を洗ってメイクを落として。今日はバスボムも入れてしまおう。そんなことを考えながら服を脱ぐ。今日の疲れを癒しながら、今日来てくれたお客様にお礼のメールをおくる。不意に通知の音が鳴る。

ci「今日はありがとうございました！またお会いしたいです！それまで仕事頑張ります！」

文面だけでもないしっぽをブンブン振っているのがわかる。可愛いなぁ、流石鬱くんの後輩くん。返信を返す。

『もちろん！また来てくれたら嬉しいな、鬱くんともいいけど。次は2人でもいいんだよ？』

ci side ＿＿＿
彼女から来た文面を見て、思わずにやける。会いたいのを紛らわすためにメッセージを送ったのに、まさかもっと会いたくなるなんて。なんて情けない。

返ってこなくなってしまった画面を見つめていると不意にまた通知の音が浴室内に響き渡る。今度は違う人からのメッセージだった。

？？「明日は〜〜駅の改札前にきてほしい。」

簡潔に送られてきたそのメッセージは明日の同伴の相手からで、了解の意をしめすスタンプを送れば。既読がついた。少し冷たい文面だけど彼は悪気ないし良しとしよう。次は鬱くんにお礼のメールを送ろう。

あ、やっぱちょっと意地悪しちゃお。

ut side＿＿＿＿

ぴこんとなった携帯を見るおれの顔は随分間抜けだろう。なんでバレてんねん、と思うけどほんとAちゃんには嘘つけへんなぁ。何よりそれを分かってるのに、俺を甘やかしてくれる彼女につい嬉しくなる。返事はカッコつけずに素直に返そう、今日ばかりは俺の負けや。

『ねぇ鬱くん。私におしおきして欲しくて、わざと他の女の子の事見てたでしょ！』

ut「ほんまAちゃんには勝てへんわぁ、そんなところもすきやで。」

ふふっ彼の返信を見て微笑んでしまう。ほんと可愛いなぁ、私に捨てられないか不安だからこうやって時々私を試すような行動をする彼。鬱くんは昔女の子と何股もしてたらしくて、自分がしてたからいつか自分が同じ目に合うと思い込んでるみたい。

『馬鹿だなぁ。私は私の可愛いわんちゃんを簡単に逃がしてあげるほど優しくないのに。』

すっかりぬるくなったお湯から出て、体を拭く。髪の毛も乾かしたら、スキンケアして、洗濯物もして、夜が明けてきた頃にやっとベッドにあがった。明日も楽しいといいな。

刺激的な夜は名残惜しくふけていった。