【d!】君の犬になりたい。 (ページ10)

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そう言われて奥のエレベーターに案内される。初めて見た時は驚いたけど今ではすっかり慣れてしまった光景だ。コネシマさんは大企業の社長さんでこのデパートとも繋がりがあるらしく、いつも外商さんや従業員の方がVIPとして扱ってくると言っていた。堅苦しいのは本人はあまり好きではなさそうなのだけど。

kn「着いたで、なんでも食べれよ？今の時間は貸切にしてんねん。」

『わお！コネシマさん太っ腹！ほんとカッコイイ、！』

早速席に着いてメニューをみる。お酒も料理もどれも最高級品。困っている私に気づいてコネシマさんが口を開く。

kn「適当になんか出してくれ、Aの方には海老多めでな。」

「かしこまりました。本日は鰆、しらす、のどぐろが旬の季節でございますので、それらと他のものも握らせていただきます。」

大将さんに慣れたように注文をするコネシマさんの顔を横目にちらりとみる。整った顔、高い鼻、主張の少なく形のいい唇、何より目を引くのは水色の瞳だろう。キラキラ光を浴びて輝く彼の瞳はありきたりなもので表せないくらい綺麗な澄み渡った色。強いていうなら宝石の様。

「お飲み物はどうされますか？」

kn「ソフトドリンクでええ、Aも無理に飲まんでええで。Aの店で酒は好きに飲んだらええからな。」

「かしこまりました、それでしたらぶどうジュースはいかがでしょうか。ワインに使われるぶどうをそのまま使用しているもので、甘みが強く出てぶどうの渋みの少ないものを厳選して、使用しています。」

『じゃあお言葉に甘えて、ぶどうジュースお願いします。』

kn「俺も同じやつで。」

控えめなBGMに、凝った置物、綺麗なカウンターに、床は大理石。受付の女性の方も一目見て分かるほど品のある着物をお召になっている。情緒を感じる和風の落ち着いた雰囲気のお店。

『ふふっコネシマさん。こんな素敵なお店に連れてきてくださってありがとうございます。』

kn「ええんやで、Aの笑顔が見れたんならそれで十分やで、Aの笑顔は金で買えないしな。」

そして始まったコネシマさんのお話に相槌をうつ。コネシマさんのお話はどれも面白くてつい声を上げて笑いそうになる。いけない、ここはお店の中だしと、ふふふと上品に微笑む。そして会話と届いた料理を楽しむ。

『ってことは〜〜ってことですか？やだ、コネシマさん面白いわぁ、ふふふっ！』

kn「せやろ？そこであいつがなぁ、」

楽しい夜はあっという間にすぎていく。