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聞きなれた声に咄嗟に声のかかった方へと向き直り自分が出せる最大の深さで片方の膝を曲げ、もう片方の脚を後ろに引いてお辞儀する。
『ご機嫌よう、クロフォード様』
「ご機嫌よう、デーネルト様」
お顔をお上げになって、と許しが得られたためそろりと顔をあげれば絵になるように洋扇を口元をあててこちらを見ているクロフォード様。その後ろには彼女と仲のいい友人が数名立っている。
まさか彼女から声をかけられるなんて思わなかった。
グルッペン様は嫌がってはいるが婚約破棄をしていない以上彼女は次期この国の皇后になるというわけで。
グルッペン様やトントン様もそういう立ち位置にはあるが友人だと明言して下さっていてそのうえ一週間に何回もお話しているから慣れてしまってはいたがやはり将来国を支える立ち位置にいる人とお話をするとなればこういった緊張感があるのはなんら不思議では無い。
失礼がないようにしなければとはしたなくはあるがぐっと唾を飲み込む。
『何か御用でしょうか？』
内心冷や汗がダラダラと滴っているが冷静に、と震える声を隠すように彼女へと問いかければニコリと笑って洋扇をパタンと閉じる。
「……先程グルッペン様とお話していらしたけれど、一体なんのお話をしていらしたのかと思って」
『！……そうですね、クロフォード様はグルッペン様の婚約者様でいらっしゃいますもの、不躾に関わってしまい申し訳ございません。実はハンカチを落としてしまい届けて下さっただけなのです』
「あら、そうだったの。先生からもご評判の良い貴方がまさか身の程も弁えない女性だとは思わなかったからそれを聞いて安心したわ」
『こちらこそ、誤解を与えてしまい申し訳ございません』
できるだけ、深く、深く頭を下げる。
数分彼らと話しているのを見られていたらしい。ご機嫌を損ねていないようならいいのだけどとちらりと彼女の表情をみればまぁ納得しましたといった顔をしていて胸を撫で下ろす。
多少鼻につく言い方だったがこんなところで彼女に目をつけられてしまったら残り少ない学生生活どころではなくなってしまう。波風を立てないようにこの場を後にしなければ。
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もとろん(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます。書き手が欲しい言葉を1から100まで揃えてありがとうございます。待ってくださる方がいるだけで励みになります！これからものんびりと創作活動に付き合っていただけますと幸いです。 (1月16日 0時) (
レス) id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
もとろん(プロフ) - ロリコン女さん» 最高と言っていただけて感謝感激です。のんびりではありますが更新していきますので気軽にお待ちいただけると嬉しいです！ (1月16日 0時) (レス) @page28 id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - 初コメ失礼します。つい最近この作品に辿り着いた者なんですが、文章が綺麗で凄く読みやすく、面白くてあっという間に最新話まで読み切ってしまいました。お話が更新される度歓喜で舞い上がっています！ 作者様のペースで更新頑張って下さい。応援しています。 (1月8日 17時) (レス) id: efc02aac0e (このIDを非表示/違反報告)
ロリコン女 - 最高です。もう、好きです。逆ハー大好きなので逆ハーと見た瞬間とっても嬉しかったです。更新頑張ってください！！！ (1月8日 8時) (レス) id: 6f972d6ac3 (このIDを非表示/違反報告)
もとろん(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» 私も大好物なのでとても気持ちがよく分かります。作品の展開的に登場させるのは遅くなってしまいますが全員かくつもりなので気長に待っていただけると幸いです (1月7日 23時) (レス) id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もとろん | 作成日時：2023年9月28日 15時
